2014年1月7日火曜日

“2014年はどうなる③ ビッグデータに踊らされる1年?”

Stage-1マーケティング動向からの視点

Vol.47-IT・成功事例と言われた商品開発に見えるもの?


昨年マーケティングの話題の主流だったピッグデータ。
どの業界でも、B to Bでもビッグデータが主導を握るなどの印象が強い、と感じます。
今年1年はピッグデータの話題が満載でしょう。でも本当にそれは正しいのでしょうか?
今回はその成功事例と言われていることから考えます。

①ピッグデータの商品開発成功事例 「フロムアクア」

ビッグデータは、大量の消費者購買行動や、消費者の発言・心理のデータを分析し、例えば商品開発に活かされると云われています。
よく言われる成功事例として「フロムアクア」がまことしやかに提言されています。


それは次の通り
JR駅構内の飲料水ビジネスを手掛けるJR東日本ウォータービジネス(JR東日本WB)は、同社の自動販売機4500台で収集した大量のPOSデータを基に新開発した「落ちないキャップ」を採用。
●落ちないキャップは、キャップ下部のリングとキャップ本体をバンドでつなぎ、キャップを開けた状態で手を離しても落ちないようにしたもの。同社によると「フロムアクアは移動中に飲まれている場合が多い」という解析結果を基に、「キャップをなくす心配なく片手で飲めるペットボトル飲料」をコンセプトに開発したという
経緯は・・・
○同社は2009年、駅構内の自販機にSuica決済端末「VT-10」の導入、同時に販売データの収集・解析を開始。
○、(1)単品別の販売時間帯・箇所、(2)単品別のリピート率、(3)購入者の性別年代、郵便番号など、年間約2億レコード(100Gバイト相当)のデータを解析してきた。
○その結果、フロムアクアは東京23区外の朝の時間帯で特に多く買われていることが明らかになり、、同社は「東京郊外から都心に通勤している人が移動中にフロムアクアを飲んでいる場合が多い」という仮説を立案。これを裏付けるために実施したインターネット調査では、駅構内でミネラルウォーターを購入する人のうち7割強が、乗車前や乗換前に購入していることが判明した。
○そこで同社は同商品のターゲットを「駅構内でミネラルウォーターを購入して移動中に飲む人」とし、商品コンセプトを「持ち歩きたくなる水」と再設定した。
○同調査で約7割の人が「ペットボトルのキャップを落としたことがある」と回答したことから、落ちないキャップの開発に至ったとしている。
という具合。
でも大きな疑問が・・・

②この程度の商品開発にビッグデータが必要なのか? 開発コストが回収できるか?


この成功事例には大きな疑問と不信があります。
この事例における動向(郊外から都心通勤・通学/その通勤者が自販機利用)と、コンセプト(移動中に飲む人/持ち歩きたくなる水)、駅構内の販売データ×昼夜間人口×都心通勤通学人数を組み合わせれば、簡単に予測できます。
マーケッターならこの程度の予測と商品開発アイデアは、ビッグデータがなくても割と簡単に想像できるものではないでしょうか?
リサーチでやるとすれば、郊外の駅で自販機購入者にアンケートとる程度と、サンプリングで時間帯別の販売状況を目で確認する定点観測ぐらいでしょう。
ビッグデータと称しているが、そのコストを考えると、そんな方法なしでも商品開発はできる、と筆者は考えます。
正直ビッグデータのコストの無駄、そう感じてしまいます。回収できるのでしょうか?余計なコストを新たに生んでいるのではないでしょう?

皆さんはどう思いますか?

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